遠い未来で彼らが生きている

現実と繋がった未来の物語。
しかし登場するのは、遺伝子を組み込まれた人、身体が機械化した人、心を持っているかのような機械など、今に生きる私たちには到底想像できないほどに多様な背景を持つ人物達。
移住船で宇宙進出を果たす時代、今とは違う対立軸で構成された社会と、その中で日々を暮らす主人公達の繊細な営みが、まるで彼らが実際に生きているかのような錯覚に陥らせる。
このリアリティがあるからこそ、この物語が展開する瞬間には、本格SFでしか味わえない緊張感が生まれる。
主人公達の淡い恋愛と飯テロシーンは、彼らの生活を覗き込んでいるような気分にさせるが、強大な敵は不意に彼らが軍人であることを思い出させる。
逃避するような日常描写と、常に存在する緊張の糸が、彼らの物語の盛り上がりを予感させる。


4章まで読んで、区切りがいいのでレビューさせていただきます
恋の行方や謎の戦闘機など、今後の展開を楽しみにしながら読んでいます!

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