故郷の歴史からずれてしまった船。最大の繁栄を越えた人類との再会。遺された最後の人類の心にはどのような使命が課せられるべきだろうか。そして彼らに希望を託した最後の人類はどのような物語を望むだろうか。気の遠くなるような時間的設定が、未来人の主観が如くとても小さな行間で進行していく。その果てしない神秘、宇宙理論の美しさ、そこに到達した人類の決して消えない夢と切なさに心が締め付けられた。