本作のもたらす余韻は、読者により深く入り込ませる魅力がある。
- ★★★ Excellent!!!
個人的な憶測だが、もしかすると彼女はこの世ならざるものかもしれない。
舞台となった季節とイベント、そしていつも周りには誰かがいる「彼女」。
クラスでの人間関係とは全く異なった、二人だけの世界。
彼女らの邂逅は、単なる青春の一言では言い合わせないような気がしてならない。
おそらく「彼女」は独りになりたかったのだろう。だからこそ独りで過ごす「私」へ憧れ、そして接近したのだ。
さて、「私」は本当に「彼女」の名前が出なかったのだろうか。
爽やかな文体を通して、多くの追想が読者と作品を包み込む。