闇が失われ、空が狭まり――、消えゆくかれらへ手向けた祈りの物語。

 文明が進み街が広がることで失われゆく自然風景や見えざるものたちを、叙情的に描いた短編です。

 きっと昔はたくさん存在したであろう、神秘や幻想のいきものたち。
 文明が進むにつれて居場所を奪われたかれらの在り方と、かれらに心を寄せる主人公の想いが印象的です。

 哀しく切ない現状を歌いあげつつも、不思議に静謐な余韻が残る物語。2500字ほどですぐ読めますので、ぜひご一読ください。

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