美貌の神父、人狼の子、救済を求める吸血鬼――ダテじゃないパラノマ小説!

 ブロンドにブルーの瞳。麗しき美貌を持ちながら神父をやっているクリス。彼を慕うティーンエイジャーで実は人狼であるディーン。ディーンのクラスメイトである悩みを抱えたダニエル少年。そしてクリスの元へ現れた、魂の救済を求める吸血鬼のニック――。
 一筋縄ではいかない“やつら”の、オカルトファンタジー小説である。

 詳しいあらすじは語るまい。
 とにかく未読のかたには、本作品を読んで、「あっ」となったり「うおおっ」となったり、「き、来た来た来たよぉお」と叫んでいただきたいのだ。

 タイトルのセンス、本当に米国が舞台なのだなと肌で感じさせる文体、そして行間からただよう並みならぬ色気と情熱。
 そして、そして、まるでその場に生きて悩み歩みを止めてそして歩き出していく人間たちの、呼吸も、その鼓動すら感じる、活き活きとした姿のなんと――。

 ぼくがくらっと傾倒してしまった一番の理由はそれだ。
 決して手を抜くことなく、ひとりひとりを描こうとしているところ。

 ストイックで優しいクリスから漂う、なんという“艶っぽさ”。
 ディーンの無邪気でどこか愛らしい行動の可愛さ(茶葉三倍!)。
 ニックの“とんでもさ”は、ピカいちかもしれない。とにかくノーマンさんはやばかった。読んでいて憎めないキャラ。
 それぞれがそれぞれの胸に抱えこんでしまったものを持っている。そのうえで、今、この瞬間、文字列を目でなぞった瞬間に生きているのだ!!

 フィクションだ、嘘なのだ、虚構なのだ。
 それでも、そこにある種の真実があり、そのなかで登場人物たちキャラたちが本当に生身で生きている。ページを開けばその脈動さえ感じられる。

 小説という媒体の持つ素晴らしさをぎゅっと詰め込んだような作品なのだ。
 こんな「とんでもないスゴイもの」を掘り出して見つけてしまったのだよ、ぼくは!!


 だが、これはオカルト知識のない人間のレビューなのだ。ぼくが読めたとしてもキャラ主体の小説ではという一面からしか読めていない。(そういう人間からしても、作者さまが設定にこだわりしっかりと構成を立てて執筆されたことはわかるくらいに作品は骨太であった。すごい)
 だから、オカルトが好きなかたからしたら、「もっということあるだろ!!」となるかもしれない。その意見、聞きたい! そういうかたのレビューも見てみたい。
 それ以外にも、ぼくと同じようにキャラ小説として読んだかた、それからビーエル小説として読んだかた、いろんなかたの感想も見てみたい。
 もっと、広がれ!!


 そのくらい、ぼくはこの作品が大好きです!!
 みんな、読んで!!!!!!





(最推しはディーンくん。なにもう可愛いんだけど!!ってなる。コンプレックスを持ったティーンエイジャーっていうだけで描くの大変だろうにそれを鮮やかに描いてしまう手腕すごすぎだし、彼の一人称で語られているから、一緒になってクリス好きになってきてしまうあたりもうこれ完全にやられた~っ。ああ~、クリスも大好き……。本当にすき。天然入ってて、ちょっと危なっかしいところあるんだけど、情熱というかそのまなざしの優しさが、ね~!! そして彼、無自覚で色気ばらまくから、読んでいるこっちが、わ~って赤面しますね。やられる。まじで読者心を射貫かれてて読む前に引き返せませんね。あー、でもノーマンさんもね、やばいのよ。やばば、なの。オイシイところ持って行くし笑。あの、本当にやばい……憎めねー!!ってなるもんねー!!)

 こんな情けないレビューになってしまったけれど、本当に書くのに必死なんだよ……。しかも、星は三つまでしか付けられない仕様らしくて、連打しても三つ以上つけられないし。

 テンションがおかしくなりそうなくらい読後がやばかったからマトモなこと書けるようになるまで数日冷却期間が必要でした(これでマトモにレビューできてると思うのかって声が聞こえる。うん……そうなんだよね、マトモじゃないよね。マジメに人におすすめですって言えてる文章じゃない……正気に戻れないよぉ)。
 ぼくの吐き出した感想欄みればわかるけど、テンションおかしくなるくらい、物語の飲み込まれます。そして作者のかたがとても優しい……(すみませんでした)。


 最高の読書体験を求めるかたに、おすすめしまくりたい!! みんな読んで!!!!


 ちゃんとおすすめ出来る、他人に面白さを伝えられるだけの文才が欲しいです。いま切に思っている。

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