概要
現実に向き合う必要もなくなった世界で
「その罪の意識でさえ、きみが決めているものだろ?」
何者にも成れない『優』。
死んだはずの『祥一』。
関係がうやむやになったままの『紗加』。
ある日、世界は 3人を残して誰もいなくなった。
誰もいないにも関わらず機能し続ける街。
「まるで世界が、自分への興味を失ったみたいだ」
と、優は思う。
そして当初こそ、その事態に困惑していたものの
「それなら好きなことだけを好きなだけやればいい」
と、毎日気の済むまで油絵を描き続ける優。
「あはは、罪深いね」
「優って、ホントに自分勝手だね」
そんな様子を祥一と紗加が嘲笑う。
「もう誰もいないのに、罪悪感なんて覚える必要あんの?」
そんな不毛な問答を繰り返していく
そんな穏やかで異常な夏の日々が、ただ淡々と延々と過ぎて
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