誰かこの真の結末にたどり着いて。そして、声を聴かせて。

一度完結まで書ききった小説を、「キャラクターたちへの責任を果たすために」ルート分岐させ、全く別の結末を迎えた物語。その情熱は存分に堪能できるのだが、惜しいことに別ルートを先に読んでしまうと、どうしてもそちらの物語の影が脳裏にちらついてしまう。

どうして人間には記憶をリセットする機能が無いのか、残念でならない。まっさらな気持ちでもう一度このルートにたどり着きたい。
それと同時に、やはり別ルートを知った上で、この真説を受け止めたいとも思う。
「私の時間軸をねじりたい」と願った作品です。

愛する人と共にありたいと願うこと、受け継いで生きること、喪うこと、虚ろな心で日々を過ごすこと。そして、独りではないのだと気付くこと。

この真ルートで作者が表現したかったであろうことは、読み手の心を何度も強く揺さぶって、最後に胸に火を灯すような熱を残してくれる。
日々が虚ろだと感じている人ほど、ぜひ読んでほしい。生きる力をもらえるはずだから。

そして、この結末にまっすぐにたどり着いたなら、どうかあなたの感想を聞かせて。
私には見えなかった世界を、教えてほしい。