与えられた場所で懸命に生きてきた。だけど今度だけは、自分の意志で。

大人気『冷血公爵の夜の顔〜娼館育ちの令嬢は薔薇の狼に溺愛される〜』の、おススメポイントを3つピックアップ!

①まずはもちろんヒロインの令嬢ニアナと、公爵ウィリオンが心を通わせていくまでの恋物語。
強い拒絶を示す冷血公爵のふところに、反射神経の良すぎるニアナが飛び込んで(物理)いくまで。
そして、互いが互いになくてはならない無二の存在になるまで、じっくりと、時に一足飛びに心の距離が縮まっていく様子は必見です。

②敵役であるズーシアス侯爵家の深い闇を書き切った筆力にも注目。
物語を支える柱として、国家を揺るがす陰謀がしっかりと描かれており、読み応え抜群。
力と居場所への渇望にまみれて、亡者のようにニアナに伸ばされる手は非常に恐ろしくもあり、悲しくもあるのです。
彼らの存在は、良い意味でこの物語を「ただの溺愛モノ」では無くしています。

③ニアナをとりまく女たちが実に良い!
下町の娼館の女、嫁ぎ先のローディルダム家の侍女たち。
情にあつく、仕事熱心で、思い込みが激しくて、時々かなりおちゃめ。
彼女たちの活躍は、時にピンチに陥る主人公たちの緊張感を実に良い塩梅でほぐしてくれます。

いつでも「今、自分がいる場所」を大切に、一生懸命に生きるニアナが、運命を切り開いていく姿は、きっとあなたにも勇気を与えてくれるはずですから、ぜひ。

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