2組の主従の関係性と時の流れに注目です

上手にレビューが書けなくて申し訳ないのですが。

忠孝と籐佐、弘紀と修之輔の2組の主従。
前者は成り行きみたいなもので共に過ごすうちに徐々に関係性が変わっていき、しかしどことなく危うくもあるような、籐佐の正体と迎える最後に、そういう時代だったのだという寂寥感のようなものを感じずにはいられませんでした。
後者は話の前から師弟としての関係ができあがっていて、これからも助け合っていくのだろうという安心感のようなものがありました。

二つの章を通じて、今伝わる伝承の数々も、実は忘れられてしまった話があるのかもしれないなと思いました。

二つの章に明確に分かれているからこそ感じる主従の関係性と時の流れ、余韻。
最後の部分で、彼等だからたどり着けたという特別なものが想像をも膨らませる、すごく良い物語でした。