敷き詰められた青春、そして警鐘

この物語は中学校を中心に繰り広げられる痛みと悲しみと優しさを持った世界が広がっています。

主人公の中学生・小倉零くんはとても優しい心を持っていました。

しかし、優しいがゆえに自らを追い込んでしまい、自らの命すら捨てようと決心していました。

しかし、そこに現れたのは百道浜紬(ももちはまつむぎ)ちゃんという女子生徒でした。

彼女との出会いが零くんの学校生活を良い意味で変えてくれるようになりました。

彼がどのような活躍を見せるのかそれは本編を見て頂けるとわかります。

現状の教育現場にも通ずる問題にまで切り込んでいく作者の思考の深さ、短い物語の中での巧みな構成力という両輪が見事に回った作品でした。

重いテーマの作品ではあります。

しかし、読んで損はないということは最後まで読んだ私が保証します。

学園モノの短編を読みたい方に特におすすめしたい一作です。