話の内容の七割はまったく理解できないが、最後はちょっと感動します

 量子力学と重力場理論の統合みたいな内容が書かれたSFです。が、魔法という言葉が挿入されているのでフィクションも含まれているのかもしれません。

 科学の専門用語が多く、それらがぼくにはまったく理解できません。このドグラ・マグラかよってくらいの専門用語の羅列を理解できる人には、きっと感動もののSF短篇なのだと思います。

 難解な専門用語の奔流を、お葬式の長い読経よろしく耐え抜くと、その先にあるセンス・オブ・ワンダーと母と娘のドラマは感動できます。が、その費用対効果はというと人を選びます。

 これから読もうという人に少し解説しておくと、「スウェーデン王立科学アカデミー」というところは、ノーベル賞の選考をする場所です。それを知らないと、つぎの行から「?」となります。
 また、本作を読んで誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、アインシュタインは相対性理論でノーベル賞は受賞していません。


 とにかく専門用語の凄い本作。ぼくには理解できませんでしたが、専門用語を理解できる人にはお勧めのハードSFです、たぶん。

 理解できないので、☆はふたつで。