ヒンヤリするのは背筋かあるいは甘き氷菓子か

主人公の少年、玲亜の部屋のテレビで流れているのはホラー映画の一場面。
恐ろしい惨劇、それを行うのは美しき悪霊の少女であるセリエル。
そう、あくまでこれは映画でありフィクション。
だからこそ、こうして彼は観ていられるのだから。

――そう、赤き雷鳴が轟くまでは。

どうしたことか雷のせいで起こった停電が回復すると、画面の中の世界の人物であるはずのセリエルが玲亜の目の前に。
架空の人物であるはずの彼女は、玲亜に触れることもできれば、人を拘束することも、首を絞めることも可能!
人間を憎み、人を超越した能力を持つ彼女ですが、玲亜の説得(という甘い誘惑による懐柔策)により協力をして元の世界に戻れるように共に歩んでいく契約を交わします。

セリエルは恐ろしい力を見せつけ背筋を凍らせる一方で、玲亜から提供される甘いお菓子の魅力に都度、新世界を体験し蕩けんばかりの表情をみせていきます。
そのギャップに時に慄き、時にくすりとしながら、彼らは周りで起こる不穏な事件に向かい合っていくことになります。
契約から始まった二人の関係は果たしてどうなっていくのか。
皆様もぜひ見届けてみてはいかがでしょうか?

その他のおすすめレビュー

とはさんの他のおすすめレビュー444