情緒あふれる日常の中に描かれる非日常な恋

 はるか遠く、北欧から日本にやって来た双子の兄妹。人でないモノを見て、感じる二人が織り成すひと夏の情緒漂う恋愛ファンタジー。

 序盤は、二人の日本での不思議な日常がゆっくりと描かれ、後半からそれぞれの恋物語がぐぐっと盛り上がっていきます。過保護な兄くんと金魚、儚げなのに芯の強さを感じる妹ちゃんと幽霊、異国人と味のある人外とのやりとりは、どこか甘くて切ない。
 夏の終わりに恋も終わってしまうのか。風鈴の音を聞きながら読みたい日常の中に描かれる非日常な恋物語です。

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