8話 Killer X
「以上が本件の報告になります」
未然犯罪課の本拠地である屋敷の一室では、2人だけの秘密の会合が開かれていた。
あの日から数日経った今、ことの顛末を細やかに
「警視庁捜査一課、
武器密輸ルートの解明、取引相手暴力団の特定は警視庁に引き継ぐものとします……それと、birdの【
星空の話し相手である女性は鋭い眼差しで問いかける。
「……銃の顧客名簿の復元は」
「無理でした。残ったのは燃え殻だけ。
ですがこれは確実です。押収したナガンM1895は3年前、Killer Xが使用したとみられるものと同じでした」
「そう……
「だけど設立して一年、やっと……新たな手がかりが見つかったね」
星空の敬語が解けたことには特に言及せず、頷いた後女性は長い黒髪を耳にかけ、提出された資料に目を通す。
「奴は暴力団とも繋がっていたの……」
「警察に暴力団に……いったい何がどうなってんだか。
集団か個人かも未だ特定できず、でも存在することは確か」
「
見目麗しい低く鋭い声の彼女はその名を
そして、とある一家心中事件の生き残り……
「必ず捕まえるわ……X」
ハロゲンを表すそのアルファベットを睨みつけながら彼女は決意を新たにした。
星空の持つXファイルが光明の目の前に広げられる。
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秋田 高校生自殺事案
※Xが殺害したとみて再調査を進めるものとする
被害者
ナガンM1895で頭部を撃ち絶命。硝煙反応が検出されたため自殺と断定。
※Xの偽装工作と思われる
第一発見者
被害者の通っていた高校の同級生。
「煙の匂いのするフードの人間とすれ違った」という証言から被害者を殺害した直後の Xとすれ違った可能性が高い。
パイロット版 Bird in a cage〜自警団Uの事件簿〜 宿理漣緒 @syasya212
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