追録1 漢詩


しばらくのご無沙汰でした。(と云っても、ほかのお話をお読みいただいている方もたくさんいらっしゃいますので、あんまりご無沙汰感はないのかも)


去年もうたで大晦日/新年のご挨拶したことを思い出し、今年も詩でご挨拶することにしました。

近況ノートに書くにはややうるさい解説部分はこちらに載せようと思います。





 雪霏霏白宇

 風飆飆撓宙

 風雪可為朋

 期新生更舊


<読み>

雪は霏霏ひひとして宇を白くす

風は飆飆ひょうひょうとして宙をたわ

風雪もともと為す

新生を期し、きゅうあらためん


<現代語訳>

雪はさかんに降って屋根を白くする

風は吹き荒れて屋台をたわかしがせる

そんな雪や風さえも朋友と考えよう

ふるきは更めるのだ、新生するために




※ 「宇宙」という言葉は漢語で古くからあったようで、昔からOuter Spaceの意味をっていたかどうか私は知りませんが、CosmosやUniverseの訳語と考えるとぴったり嵌るように思います。

「宇」は本来は屋根や軒の意で、そこから地上の全世界を表すことも多いです。古事記や日本書紀あたりでは「あめのしたしろしめす(天下を治める)」などとまれて頻出します。天下のことを「宇内うだい」と呼んだりもしますね。

「宙」は本来は屋根と棟木・梁の間の空間を指す字で、転じて空間的・時間的ひろがりを表すことが一般的になりました。



さて。

けっして古いものを否定するわけではありませんが、前へ進むために思いきってふるい衣を脱ぐことも、時にはよいのかもしれません。

新年を迎えるにあたって、新たなものを生み出すため進みつづけようという想いを詩にしました。

これは私ひとりではなく、カクヨムで日々研鑽されている皆さんも同じ想いなんだろうと勝手に想像しています。ともに歩む仲間がたくさんいるのが心強いです。


令和六年/2024年も、皆さまのますますのご活躍をお祈りいたします。



(ご参考まで・・・22年末のご挨拶の詩は「27 漢詩」に掲載しています)


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詩・歌・句の欠片 久里 琳 @KRN4

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