十三小体育館の解決 その②
下校した
ぼく。
ぼくは真相を語りだした。
「トリックは二つ。『
「十三小体育館からの脱出には、さまざまな
「そこで君は共犯者をつくることにした。必要な条件は君のそばにいて、かつ、君に協力するだけの好意を持っている人物でなくてはならない」
「まさか……」
「そう――共犯者は
「彼女はフットレルを読んでいたのだよ」
「『十三号
「彼女は君に協力して、好きなミステリを再現することにしたんだね」
「かくして彼女は共犯者となった。あとは簡単さ。地窓のすき間は幅60cmほど。ぼくたちや
「脱出した
ハシゴは下で支える人がいないと使うことができない。これもぼくにとっては、共犯者をしめす手がかりとなった。
「体育館にもどった
「じゃあ。カギを開けてから
「ハリウッド
「ノーベル賞モノの演技デスね!」
それを言うならアカデミー賞だが。
ともあれ、ぼくたちは
「そんな顔をしないでくれたまえ。私も
彼は続けた。
「今日は新作ミステリの発売日だ。
メッセージ?
ぼくはこのとき、初めて気づいた。
「帰宅してからスマートフォンをみると、君しかいないはずの私のアカウントに
だが、ぼくは知っている。
君は、自分が思っているほどには人ぎらいではないということをね。
<了>
十三小体育館の問題 秋野てくと @Arcright101
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