マッドマックスと不思議感の融合

拙い感想ですが、失礼いたします。

最初にタイトルを見た時にテッド・チャン氏のSF作品である『あなたの人生の物語』を思い出しました。そんな事が読み始めた理由です。

本来は始まったばかりの連載作品はほとんど読まない性質の人間です。
ですが、この作品は『他と匂いが違う』というオーラを最初から出していました。

この作品は異世界ファンタジーであるのに、何となくSF感が漂い、それでいて魔法と魔物と環境に関する表現はやはりファンタジーである、という不思議な読み味の物語であると感じました。

主役はマッドマックスの世界観から抜け出てきた男。

文明が終焉し、殺伐とした生活と不味い食事に慣れ、諦観にまみれた主人公に対し、異世界は貧しくともまともな食事と、滅んでいない厳しくとも豊かな自然で出迎えます。

男は言語は通じるもののチート無し。されど自身の半生で鍛えた技術を持ち、手持ちの武器で重金属弾をぶっぱなします。
高威力の弾丸が相手にめり込む描写は重いですが、相棒の少女が放つ魔法もまた単純な火力ではない存在感を持っています。

常在戦場の男と、慣れているが故に油断は無い相棒の少女。主要人物の対比も魅力的に映りました。

どちらの世界も我々のソレとは異なる世界であり、そして描かれ方に雰囲気があるために、他の異世界転生サバイバル作品とは違う趣を醸し出すのでしょう。

続きの気になる作品です。