第6話

たまたま文学概論の授業で、文学好き女子に声をかけられた。

「文芸同好会『熱空』に入ってるんだけど、今日、今から部室で活動あるから、いっしょに行きませんか?」

「えっ?」

なんで、いきなり...って思ったけど

「前からあやめちゃんのこと見てて、可愛いなあ~文学的だなあ~って思ってたから...」

って言われて、文学好き女子から、そう思われてるんなら、ボクも文学的なのかなあ~って思って

「いいよ~」

って答えてしまった。

「ボクのどういうとこ文学的なの?」

って聞いてみたら

「う~ん、そうやな~、めっちゃ女の子みたいな存在感あるとこかなあ~」


部室に着いた。

文学好き女子しおりちゃんは、部室のドアを勢いよく開けた。

「こんにちは~。今日は友達もつれてきたよ~」

「しおりちゃんにしては、めずらしいね」

「あははは」


「こんにちは~はじめまして~よろしくお願いします~しおりちゃんとは文学概論でいっしょなんです~」

って、ボクもあいさつした。

「よろしくね~」

って同好会の部長らしき女子から言われた。

「みんな、この紙、見てね~」

って、みんなに紙をくばりはじめた。

20個の色んな単語、書かれてあった。

「ここに書かれてある20個の単語で、みんな今日は文章を作ってね~」


しおりちゃんはボクに

「こういうの難しいよねっ」

って言ってきたから

「簡単だよ。いつも思ってることとか言いたいことなんかを単語をつなげて書けばいいんだよっ」

「そっかあ~。なるほど。ありがとう。あやめちゃんについて来てもらって良かったわ」

ボクでも役に立ってるのかあ~って思って嬉しくなった。


ボクも、みんなといっしょに書いてみた。

ちっちゃい子どもを主人公にして、海とか山とか自然とか星とか宇宙とか、そういう話につなげてみた。


1時間くらいしたら、みんなの書いた紙を集めてコピーして、みんなのを読んでいく時間になった。

しおりちゃんはボクのをいちばんに読んでくれて

「やっぱり思ったとおり、あやめちゃんの書く文章は可愛くて良いね。ぜったい、そうだと思ってた。可愛い子どもの話を書くだろうなあ~って」

「ちっちゃい子ども、可愛くて好きだからかなあ」

「あやめちゃん見てたら、そんな気する」

「あははは」


ボクはしおりちゃんの書いたのをいちばんに読んでいた。

「うわ~、しおりちゃんのは、ボクのと違って、めっちゃ文学的だね~。ボクといっしょで、子どもの話だけど、凄いオリジナリティーあって...めっちゃ文学になってる」

「ありがとう」

「子どもたちも、読んだら、ぜったい面白いと思うよ~」

「ほんまに?児童文学を書いていきたいから、そう言われると、めっちゃ嬉しい!」

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