第7話
しおりちゃんの書いてきた児童文学を書籍化することになった。
「あやめちゃんに、表紙の絵とか挿し絵とかを描いてほしい」
って頼まれた。
ボクは美術部でも、いつもイレーヌちゃんの絵ばっかり描いているから
「イレーヌちゃんっていう子は、めっちゃ可愛い女の子のキャラクターの絵をいつも描いてて、しおりちゃんの作品の内容にピッタリだと思うよ」
って言って、イレーヌちゃんのことを推薦した。
家に帰って、イレーヌちゃんに、しおりちゃんのことを話したら
「本の表紙や挿し絵なんて、めっちゃ描いてみたい~」
って言ってくれた。
しおりちゃんとイレーヌちゃんとボクの3人で会って、打ち合わせをした。
イレーヌちゃんは、しおりちゃんの書いた作品を、しおりちゃんからもらって、家でじっくり読みはじめた。
「うわ~、なんか、めっちゃ可愛くて、めっちゃ良き文章やわ~。子どもたちのための文学って感じ、めっちゃする。しおりちゃんは、子どもたちのこと、めっちゃ好きなの伝わってくるよ」
「しおりちゃんは児童文学に対して愛を持って書いてるの伝わってくるよね~」
「これなら、ぜったい、しおりちゃんの書籍化の表紙とか挿し絵とか描きたい~」
それからイレーヌちゃんは、しおりちゃんの作品からイメージされる、ピッタリな絵を描きはじめた。美術部の部室でも、家に帰ってからも。
イレーヌちゃんはフランス人だけど、日本のこともめっちゃ好き。日本で暮らしているイレーヌちゃんの絵は、フランスと日本の良さを融合した、独特な世界観のある、めっちゃ21世紀的な感じのする良き絵。
しおりちゃんの作品もまた、イレーヌちゃんの絵みたいに、めっちゃ21世紀的な感じのする、新しい独特な世界を描いたオリジナルな愛ある作品だから、2人の作風はめっちゃピッタリ合っている。
イレーヌちゃんは、しおりちゃんの作品に会うために日本に来たのかも...って思えるくらいに...
それからボクは大学も3回生になって、服飾の専門学校にも通いはじめた。
初日に、教室で、みんなの体の採寸をするために、服を脱いで下着になった。
ボクの体の、めっちゃ柔らかくて曲線的で、女の子みたいな可愛い体を見て
「あやめちゃんの体って、ほんまに女の子の体みたいに可愛いんやなあ~」
って言ってくれた。
それから、みんなといっしょに、これから作っていく自分の服のための、体の採寸を行っていった。
副担任の先生を最初パッと見た時
「どこかで会ったことあるのかなあ~。前世で会ってたんやろか?」
って思った。
そしたら、副担任の先生は
「あれ?あやめちゃんやん!」
って言ってきた。
「西表島で会ったあやめちゃんやろ!女の子みたいな雰囲気やから、すぐわかったわ!久しぶり~」
「え~?あの時の女子高生3人組ですか~?」
「そうやで~!覚えてる~?」
「覚えてますよ~!修学旅行で関西に来た時のバスガイドさんも、あの時の、西表島で会った女子高生だったんですよ~!」
「あーっ、そういえば、その話、その子から聞いたわ~!修学旅行の時に、あやめちゃんとイレーヌちゃんに会ったよ~って」
「なんか、その前にも、太陽の塔の中で、いっしょに見学してまわってたみたいですね~」
「あっ、そうらしいなあ~。凄いなあ。また会えて!よろしくね」
「よろしくお願いします。カブトガニって今でも、いるらしいですね」
「そやろ!田んぼで採れるのかは知らんけど」
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