女の子みたいな体のボクと、日本好きなイレーヌちゃんとの、ちっちゃな恋のストーリー

ヤッキムン

第1話

パリで出会ったイレーヌちゃんはめっちゃ日本好き。


ボクはロンドンで生まれた。

小3までロンドンにいて小4の時にパリの小学校に転校した。

パリの少年少女合唱団に入った。

パリの公会堂とかで歌っている。

フランスの各都市にも遠征して地元の公会堂で歌っている。

イレーヌちゃんは、いつもボクの歌ってるのを見に来てくれる。

最前に座って手を振ってくれる。

開演前には楽屋にも会いに来てくれて2人でしゃべってる。


イレーヌちゃんは小学校の同じクラスの同級生。

小学校に転校したら色々話しかけてくれた。


転校初日に教室であいさつして、それから家に帰ってママといっしょにパリの街を散策していたらボクのことを見て、めっちゃ笑ってる可愛い女の子いるなあ~って思った。同じクラスの子かなあ~って思って、ママに

「向こうの女の子はボクのこと知ってるけど、ボクからは、あの女の子のこと誰なのか、わからないね」

って言った。

「きっと同じクラスの女の子なのかな。あの女の子は『今日転校してきた子だ』ってわかるけど、あやめはまだ女の子のこと知らないからね。明日行けば会えるかもね」


翌日教室でその女の子に会えた。すぐイレーヌちゃんと仲良くなった。


イレーヌちゃんとオルセー美術館に行ってみた。

カバネルさんとブーグローさんっていう2人の画家の描いた「ヴィーナス誕生」の2枚の絵を、イレーヌちゃんもボクも好き。


ボクのママは日本人で、パパはアメリカ人と日本人のハーフだ。

パパのほうの日本人おばあちゃまとアメリカ人おじいちゃまはサンフランシスコでアクセサリー店とクリーニング店をやってる。

小5の夏休みにパパとイレーヌちゃんとサンフランシスコに遊びに行った。

お店はケーブルカーの走ってる道沿いにある。

イレーヌちゃんは、いきなりピョンってケーブルカーから道に飛びおりた。運転手さんはちょっと驚いてたけど、大丈夫って合図したら、わかってくれた。

アクセサリー店とクリーニング店は並んでいる。アクセサリー店に入ったら、アメリカの民族的なアクセサリーや、可愛いアクセサリーなど、お店の棚にも壁にも天井にも、いっぱい飾られてあって、めっちゃきれい。

おばあちゃまにあいさつしたら、サンフランシスコまで来てくれてめっちゃ喜んでた。

「ちょっと買い物行ってくるから、お店を見といてね~」

って言われて、イレーヌちゃんと店番していた。

可愛いお姉さん3人組、お店に入ってアクセサリーをいっぱい買ってくれた。

「良いアクセサリーいっぱいあるんだね。お2人も作ってるの?」

「いえ、うちらは作ってないです。そのうち自分たちでも作りたいです」

「またサンフランシスコに来るような時には、このお店にもう1度寄りたいわ」

「ぜひ来てくださいね」

「その時は、あなたたちの作ったアクセサリーも買えると良いね」

「ほんと、そうですね」

「おつりは、とっといてね~」

「ありがとうございます」

「またいつか来るわね」

そのおつりで、イレーヌちゃんとボクのアクセサリーも、いっしょに買っちゃった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る