第3話
中3の春から、イレーヌちゃんは、沖縄のボクの家でいっしょに暮らして、同じ中学に通うようになった。
「憧れの日本の女子中学生になれた~」
って喜んでる。
イレーヌちゃんは、日本のこと、めっちゃ好きだからなあ~。
沖縄の中学でもイレーヌちゃんは人気者だ。
パリから転校して来て、可愛くて。
なんとかボクと同じクラスにしてもらった。
2人とも美術部に入って絵を描いている。
イレーヌちゃんのママもパパもフランス人で、パリで美術館の仕事をしている。ママもパパも日本美術も好きなので、イレーヌちゃんも、ちっちゃい頃から日本のこと大好きみたい。
沖縄の同じ高校の工芸科に2人で進学した。
「憧れの日本の女子高生になれた~」
って喜んでいる。
沖縄の伝統工芸を中心に色んな芸術を学んでいる。
高2の時に、修学旅行で関西に行った。
大阪の空港で、バスに乗ったら、可愛いバスガイドさんで
「どこかで見たことあるなあ~。YouTubeか何かで見たのかなあ~?」
って思ってた。
「あらっ?あやめちゃんとイレーヌちゃん?」
ってバスガイドさんに声をかけられた。
「なんで2人の名前、知ってるんだろう~?」
って思ってたら
「あ~!西表島で会った女子高生のお姉さんだあ~」
ってイレーヌちゃんはすぐわかったみたい。
「うわ~!あの時の~?」
って思い出してたら
「うちは、あやめちゃんとイレーヌちゃんだって、見た瞬間、わかりましたよ~」
ってバスガイドさんは言ってた。
バスガイドさんといっしょに、大阪、京都、奈良、神戸と、関西を見てまわった。
太陽の塔にも入って、民俗学博物館にも行った。
「西表島で会った時に、2人と良いね~って話をしていたから、コースに採り入れさせてもらったのよ~」
バスガイドさんは高校生の時も可愛かったけど、バスガイドさんになった今も、めっちゃ可愛い。制服姿もめっちゃ似合う。
バスガイドさんと、ボクは可愛い下着を集めてる話をしたら
「あやめちゃんにあげるから、ぜったい、ちゃんと使ってね」
って言って、バスガイドさん愛用の下着をプレゼントしてくれた。
ボクのこと、もしかして、ずっと女の子だと思ってるのかなあ~。
女の子っていうことにしておこう~。
イレーヌちゃんに見せたら
「いいなあ~可愛い~」
って言ってた。
修学旅行の最後、バスガイドさんと別れる時に、握手したら
「あやめちゃんの手も、めっちゃ柔らかくて可愛くて女の子みたいっ。西表島から、また再会出来て、よかったわ!」
って言われた...
「最初に高校生で太陽の塔の中に入った時に、小学生くらいのあやめちゃんとイレーヌちゃんに会ったような気も...」
「イレーヌもなんとなく、お姉さんたちといっしょに見てまわってたような...」
「ボクも田んぼでカブトガニを採ってたとか話してる女子高生のお姉さんいたなあ~って...」
「それ、うちらやわ!」
日本大好きイレーヌちゃんにとっても、関西の修学旅行は、めちゃめちゃ面白くて、ためになって、良かったみたい。
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