寄生

『寄生』というタイトルからは想像もつかないような、ただほろ苦い青春を思わせる冒頭。その始まりに誰もが騙されるでしょう。痛々しい恋の後悔の物語とあるが、そこへの解像度が高過ぎる文章ゆえに物語全体に狂気が漂っています。その空気に読者は飲み込まれ、きっと最後まで一気に読んでしまうはず。タイトルからもわかるよう比喩として虫が象徴的に描かれていますが、初めに現れる無垢な白い蝶の美しさがさらにこの作品の恐怖感を掻き立てているように感じました！恐ろしい青春のお話です。皆さんもぜひ。

少女の悲恋の物語……と、一言では片付けられない作品。読了後には、その余韻も相まって、名状しがたい遣る瀬なさに、ただただ茫然とすることになりました。

とにかく、比喩表現と作劇法が秀逸で魅力的！　ドキリとさせられるタイトルが入り口となっている本作ですが、始まりこそ淡いものだったはずの恋愛が、効果的な表現によってどこか気味悪く醜怪なものへと染め上げられていく様子は圧巻でした。

追い打ちをかけるかのように、ストーリー上に浮きあがって来る「自分」との問答。「外殻で着飾った上辺の自分」と「内なる生々しい自分」の葛藤は、主人公が思春期であることも相まって、リアリティをもって読者を惹きつけます。

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レビュータイトルを３０分考えましたが考えつきませんでした。蟲のような醜さで必死にうごめく恋愛短編です。それ程美しくないヒロインたる主人公が、二人の男の子を対象に恋愛をします。文学とはこうでなければという切れ味と、蛍光色過ぎて吐き戻しそうなえげつない心理描写が魅力で、私はこれらにこてんぱんにされて語彙を失いました。ありがとうございました。一度見れば２年くらいは忘れられない一作です。

拝読して、これは感想書きにくいぞと頭悩ましてるうちに日が落ち、結局感想として適切な言葉が見つかりませんでした。
なので、レビューにすることにしました。（飛躍

これは、世の中の“普通”に迎合出来なかった少女の物語です。
彼女はある同級生に恋をするのですが、自分のありようと向き合った結果恋を捨て、都合のいい、発達に遅れのある男子と密かに付き合い、自らの砂城を築きます。
そんなある時、憧れの少年と同じクラス、席も隣同士となるのですが、とある事件が起こります。

自らをセミの幼虫に例えた少女の、耽美なまでの独白。
女子高生の恋の物語と言えば聞こえはいいが、描かれるのは青春のキラキラではなく、整理し…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（285文字）