第132話までの振り返り

「さてと半山羊妖精グラシュティグです。

 第三部が急展開で終わって、第四部スタートという大事なタイミングだけど。

 ここで僕が振り返りをしておくよー」

「なんで良く知らない妖精さんとあたしが話すことになってるんでしょー。

 ミューギンです。

 あたしは…………グラシュティグさんを良く知らないので緊張気味でーす」


「大丈夫、大丈夫。

 僕は美少年や男性にも優しいけれど。

 美少女ちゃんにも優しーんだよ。

 二人で仲良くなって、ゆりゆりファンをゲットしようよ」

「ゆりゆりの意味が分かりませんけど…………とっても危険な香りがしまーす。

 避けておいた方が良いと、ミューギンのカンが全力で叫んでます」


「そんなツレナイな。

 お姉さまと呼んで良いんだよ」

「ミューギンは6人姉妹の末っ子です。

 困ったお姉ちゃんが6人も居るんでーす。

 これ以上姉は要りませんですよー」



1,国に関して


 〇ウルダ

 主人公がいる国。北方の山岳地帯が領土の大半で食料事情は厳しいが、その分鉱山から金属鉱石や魔石が出土する。

 以前はライヒーンやコナータとから食料を貰い、魔法武具クラフツを輸出していたが、近年は武力による侵攻を進めていた。


 〇コナータ

 西方に位置する国。ウルドに比べ、呪術師ドルイドが多いらしい。


 〇ライヒーン

 東方の国、肥沃な農業地帯を持つ。人数こそ多いがウルダに比べると弱兵。


 〇クー・マーマン

 南方の国。国と言っても、蛮族が多い未開の地と呼ばれる。闇の巨人フォモールがまだいると言う。



「ミューギンちゃんはコナータの出身なんでしょ。

 呪術師ドルイドが多いの?」

「ウルダだと…………呪術師ドルイドなんてお飾りみたいな扱いですけどね。

 コナータではまだ一般的に尊敬されています。

 腕利きなら王に直接仕えることが出来ますし、貴族になりあがるのも難しくありません。

 何を隠そう、このミューギンだって呪術師ドルイドなんですよー」


「そうだった。

 ミューギンちゃんはそれなりに腕利きの魔法医師デアドラなんだっけ」

「その通りでーす…………

 けど、なんで知ってるんですかー」


「単に読者の代弁だよ。

 ほら僕って妖精でしょ。

 何を知っていても不思議は無い、フシギ存在なんだ」

「むー、やっぱり怪しい人です。

 お近づきになりたくありませーん」


「さて第三部はそんなコナータからの宣戦布告を受けて終わった。

 コナータに何があったんだろうね?」

「ええっ?

 コナータが宣戦布告!

 エライことでーす。メイブ姉さん、何やってんですかー」


「あー、ミューギンちゃんは知らなかったね。

 クロトーさんがさー、闇の巨人フォモールに乗っ取られちゃったの」

「なんですってー?!

 クロトー姉、様子がおかしかったとは兵士から聞きましたが……

 まさか本当に」


「そいで、そのメイブちゃんに関して説明ね」


 メイヴ、または、メズヴ。

 ケルト神話に登場する、コナハトの女王。その名前は名前の意味は「酩酊」


「ゲームやアニメの題材とされることもあるので、ご存じの方もいるだろうね」

「ゲーム、アニメってなんですかー?

 ミューギンはエンターテインメントなんて舞踊劇ぺージェントしか知りません。

 読書?

 ラノベってなんですかー?

 書物は貴重ですから―、純粋なる娯楽のために費やされる訳無いんですよー」


「うん、この世界の常識に則った正しい回答、ありがとう。

 ミューギンちゃんは人間だから、それで良いけど……僕は妖精なので。

 そこんとこ何でもアリです」

「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?

 意味が正確には分かりませんけど、この妖精メチャクチャ言ってませんか?!」



2,妖精に関して


 〇妖精少女パック

 ミューギンちゃんによるこの物語における説明 

「あたしはチラっと見ただけで、まだよく知りませんけど……手のひらより大きいくらいのとっても可愛い妖精さんですよー。

 イズモ先生と仲が良さそうです」


 グラシュティグによる次元を超えた解説

「よくある妖精のイメージ。

 に加えてパックって名前はウィリアム・シェイクスピアの『夏の夜の夢』に出てくるおどけた妖精として有名。

 現在ではむしろマンガ『ベルセルク』のパックの方が有名かもね」


 〇海豹妖精セルキー

 「人間の姿になったり、アザラシの姿になったりする妖精さんです。

 お胸が大きいので男の人には人気あるらしいですよー。

 先日魔物退治に行ってその姿を見た兵士たちはみんなファンになったんですって」


「スコットランドに伝わる伝説上の種族だね。

 あざらし女なんて翻訳もあるけど、それだと妖怪みたい。

 男のセルキーもいて、ハンサムな人間に化けて女性を惑わすんだって。

 女性型の方は本編で紹介した通り。

 セルキーが脱いだ皮を人間の男が盗って、セルキーはその男の妻になるって話が伝わっている。

 『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』ってアイルランドのアニメ映画が在って、セルキーと人間の間に産まれた子供が主役の物語なんだ」


 〇靴造職人妖精レプラコーン

「この間、逢いましたー。

 「足のサイズを測らせてくれよ」

 なんてイキナリ言って、イズモ先生が知り合いの妖精さんだと紹介してくれなかったら、ヘンタイさんだと思うところでしたー」


「レプラコーンって名前は有名でいろんな作品に出て来るけど、イメージはそれぞれだね。

 妖精の中でも悪霊よりって説もあるし、いつも酔っぱらっているって話もある。

 『ハリーポッター』だと金貨を降らせてくれるイタズラ好きかな。

 皮のエプロンを着けていつも靴の修理をしているって説もあるんだ。

 本編はそのイメージに近いね」


 〇毛むくじゃら妖精フェノゼリー

「この人はまったく知らないです。

 でもこの鉱山施設にいきなり家がたくさん出来たのはこの妖精のシワザって聞きましたー。

 お風呂も造ってくれたらしいですよー。

 お風呂良いですね。

 お湯に浸かる経験あんまり無かったんですけど、今では至福のひと時です」


「マン島に伝わる毛むくじゃらで怪力な精霊の名前なんだ。

 島民の暮らしを手助けしてくれる良いヤツなんだけど、いつもハダカ。

 それを気にした人間が服をプレゼントすると怒って暴れちゃう。困った妖精ちゃんだよね」


〇 半蛙乙女妖精アスレイ

「陽の光がニガテとかで、逢った人は少ないでーす。

 暗がりで隠れてる恥ずかしがり屋さんだけど、話すと人懐っこい良い人らしいですよ」


「アスレイ、アシュレイ、アスライとか呼び名は不明瞭な水棲の妖精だね。

 怖いパターンだと男を水底に引きずり込む幽霊。

 優しいパターンだと、溺れた男を助ける美しい精霊。

 手の指に水かきがついてるとか日の光を避けるなんて話から、作者が半蛙乙女妖精にしちゃったみたい。

 蛙に似てるって説話はあまり無いみたいだから本気にしない方が良いよ」


〇 半山羊妖精グラシュティグ

「って言うかー、目の前に本人がいるじゃないですか。

 パッと見はキレイな人なんですけど、図々しいし勝手に人の間合いに入り込んでくるし。

 なんか……困った人でーす」


「本人を目の前に困った人でーす、とか言っちゃうミューギンちゃんだって。

 でも、これはアレかな。遠慮せず言いたいことを言い合える関係に僕らが近づいたってことなのかな。

 姉妹も目の前なのかな。

 スールにしてください、お姉さま。

 とか言われちゃう未来もアリなのかな」

「絶対、ありませーん」


「グラシュティグはスコットランドの伝説なんだ。

 長いブロンドの髪をもった美しい女性。緑色のローブで隠された、その下半身は山羊。

 これも牧畜を助けてくれる良いもんとしての伝説と。

 美しい顔で男を誘い出して、その生き血をすする恐ろしい伝説と。

 二通りあるね。

 ギリシャ神話のパーンとも近いけど……あっちは角があって、グラシュティグに角があるって話はあまり無いのが特徴かな」


〇 妖精メイドさん

 お掃除妖精ブラウニー

 お料理妖精ベン・タァイ

 お洗濯妖精ベン・ニィア


「茶色の人と赤い人と青い人がいるんですよね。

 みんなメイド服の美人さんで服の色以外区別がつかないでーす。

 でもご飯がメッチャ美味しいので、ミューギンは少し尊敬してますよ」


「えーと

 ブラウニーはイングランドの妖精。妖精の代名詞くらい有名なんだ。お家の掃除を手伝うイラストが良くあって、だからお掃除妖精にしたみたい。

 ベン・タァイ、ベン・ニィアはバンシーの呼び方のゆらぎって説明が正しいのかな。

 泣き女、なんて呼ばれる幽霊に近いイメージのバンシーだけど、家事の手伝いをしてくれるって話もある。

 彼女とキスした男には加護を与えるなんて伝説もあるんだ。

 ベン・ニィアは川で洗濯をしている女って話があって、だからお洗濯妖精。

 ベン・タァイは……なんだろうな。空いてる家事の名前を付けただけかな」


「と……言うことで妹のミューギンちゃんに手伝ってもらった妖精のウンチクでした。

 楽しかったからまたやろう」

「疲れたから、イヤです。

 グラシュティクさん、うやむやのうちに姉妹にしようとしてませんか。

 そんな戦略にミューギンは引っかからないですよー」


「それと最後に、作者からの連絡でーす。

 年末年始、しばらく投稿は休ませて欲しいってさー」

「あああ、二年近くずっと更新してきたのに、ここでストップですかー」


「第四部スタート前に少し内容を練りたいんだってさ」

「登場人物、無節操に増やすから、自分でもわからなくなんるんですよー。

 もっと整理して本筋追いかければいいのに」


「まぁまぁ、そう言わないで。

 整理されちゃうと、僕なんか真っ先にカットされちゃいそうだし」

「そう言えば…………ミューギンもあんまり役割無いです。

 物語って本筋だけじゃなくて、枝葉も大事ですよね。

 場合によってはそっちこそ重要だったりします」


「はっはっは。だんだん妹も僕に似てメタ発言するようになってきたねー」

「違いまーす。

 一般的な文学論です」


「ではではそーゆーことでしばらくのお別れです。

 忘れないでくれたら、またサービスしちゃうよ。

 半山羊妖精グラシュティグでした」

「また読んでくださいね。

 ミューギンからのお願いでした」


 次回投稿は2025年1月10日です。

 ごめんなさい、休まず頑張ろうかと思ったのですが。

 私生活の方で引っ越ししたり、風邪ひいて寝込んだりしたもので……スケジュールぐちゃぐちゃなのです。

 でも…………ここまで90万文字、ほとんど休まず頑張ってるんだから、大したもんですよね。

 自分で褒めておかないと、やる気失っちゃうからなー。

 そいでは来年はまた頑張ります。

 第四部こそクライマックスになるはず。

 ではでは良いお年を。

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男は異世界に生まれ変わる。だがそこも地獄の様と呼ばれ強制労働させられる鉱山だった。だけど俺ってば仕事中毒だから平気、むしろ生き甲斐が出来て楽しーや。 くろねこ教授 @watari9999

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