※読み合い企画からのレビューです
作業員999番
主人公たる彼は異世界転生者であり、物心ついたときから過酷な鉱山労働に従事していた
彼は夜な夜な妖精のパックと共に鉱山の下層へ向かい、石の巨人や金属の巨人を薙ぎ倒しながら、妖精の女王を救い出すべく岩盤を掘り進めていた──という導入から始まる本作品、主人公の境遇が境遇であるにも関わらず、悲壮感がなく読みやすい
999番がワーカホリックで、昼の仕事も夜の仕事も楽しんでこなしているためでもあるが、それ以上に相棒であるパックの存在が大きいだろう
昼間の地獄のような環境と、癒やしのマスコットのいる夜の掘削を交互に繰り返しながら、物語は徐々に進んでいく
それが、本当に面白い
ネタバレは伏せるが、やがて物語は予想だにしない方向へと舵を取り、達成感と爽快感の中で第一部は幕を閉じる
レビュー者は第一部までしか読破できていないが、このクオリティの作品をまだまだ楽しめることに喜びを感じている
超長編作品だが、ノリも良く、サクサクと読み進められるので、是非最初の数話だけでも読んでみてほしい
きっと、本作品の虜になるはずだ
囚われた鉱山労働者「作業員999番」。彼に許されたのは、番号で呼ばれる日々と、過酷な労働のみ。
しかし彼には前世の記憶があった。
「俺の名は出雲働——日本で鉄鋼会社を率いた男だ!」
鍛え上げられた肉体、仕事中毒の精神、そして鉄を知り尽くした技術知識。異世界の地下で目覚めた彼は、支配されるだけの人生を捨て、"この世界の法則"に抗い始める——。
昼は監視の目を欺きながら採掘し、
夜は禁断の地下へ潜り、"魔石"を掘り尽くす。
「魔石と鉄……この組み合わせなら、この世界は変えられる!」
奴隷のような鉱山労働からの脱出、妖精たちの封印、そして地下に眠る"真の資源"——。
"掘る"ことで世界の核心へ迫る男の、異世界労働サバイバルが今、幕を開ける!