運命のイタズラとはこういうことかと思うほど、タイトルと中身が合ってない(合ってる)
平凡なタイトルのこの作品を読み進めていくと、この小説をこれ以上表したタイトルは他にないと感じる
それなのに合ってないというのは、ただただワイのエゴが原因に他ならない
ワイはスローライフ物が好きや
なぜか気づいたら世界中を旅したり王族と仲良くしない、本当にひっそりと暮らすガチのスローライフが好きなんや
ワイは物作り系が好きや
とりあえず魔法でなんでも産み出したりするのではなく、魔法使ったとしてもしっかりと製作する過程が分かるガチな物作りが好きなんや
こんな好きな物×好きな物、料理で言ったらカツカレーみたいな贅沢な小説に出会えることなんて殆どない
しかも設定だけでなくしっかりと文章力があり、真っ当に面白い新規の小説に出会えるとは正直思ってもなかった
こんな話を読まされたら同じネット小説好きたちに言いふらしたくてたまらない
同じ好みの読者がこの小説を読んだらどんな感動を得るか考えるだけでムズムズする
なのに!!なのに!!!
タイトルからはスローライフも物作りの要素もちっとも伝わらない!!!!
これが適当なタイトルであれば、自分を抑えられずにタイトル変えろと作者に文句つけてた確信がある
でもこのタイトルは秀逸なんだ…
この主人公の異世界での生活の軌跡を表すのに1番適した言葉なんだよ
「概ね幸せ」じゃダメなのが読んだからこそよく分かるんだよ…
このある種完成されたタイトルを変えずともなんとかワイのエゴを満たすためにレビューを書く
暴走したレビューで警戒してるかもしれないけど、ここまで読んでくれた心優しいアンタは是非この小説を読んでワイと同じアンビバレントな感情に悩まされてくれ
プロローグと一章は不幸のどん底スタートで、山場はあるものの
盛り上がるような展開や行動は特にない為諦めてしまう方がいるかもしれませんが、
そこを抜けて二章になると面白くなっていきます。作者の書きたいものが見えてきます。
四章でようやく人間らしい生活とやり取りができるようになるので
ここからがスタートといったところ。会話シーンもだいぶ面白くなりますしイラっとする所も激減していきます。
「⚫︎⚫︎になってしまうのであった……なんてこともなく」と、妙に変化をつけてきて
ズコーってなったり、ざまぁはすっきりしづらい部分もあって悶々としますが、これも他にはないこの作品の味だなと思います。