時間移動のできる刀と、それを操れる弟と姉の物語

 鬼ヶ島伝説を再解釈した、時間移動の物語です。

 とある刀がありまして、こいつは時間を飛び越えることができます。

 主人公の一族は、この刀を操ることができまして、いきなり源平合戦ぐらいの時代まで飛んでしまいます。

 そこではいくつもの戦乱と悲劇がありまして、メインヒロインとなる鬼姫はたくさんの苦労と悲しみを背負いました。

 その解決に、主人公が一役買うわけですが、実をいうと物語の軸は、時間移動そのものにあります。

 どうやら現在行方不明である主人公の姉も、この刀を使っていたようです。

 つまりこの物語は、一振りの刀を軸にして、主人公一族たちが時空を超えたミステリを解決することにあるわけですね。

 設定からして、かなり壮大な物語なんですが、それゆえに主人公の立ち位置と情報量の制御が難しくなっています。もし序盤の回想シーンで脱落しそうになった読者さんがいたら、お薦めの読み方があります。

「42話 現代でも僕らは元気です」から読みましょう。

 この物語は、過去編が終わって、現代に戻ってから急激におもしろくなります。というのも、メインヒロインである鬼姫が正式な仲間になって軽妙な会話が始まるからです。

 42話から本番だといっても過言ではないです。

 基本的には1話から読んだほうがいいんですが、レビューは読者を増やすためにあるわけですから、救済措置について触れておきました。

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