どんなかたちであれ、再び会うことができたなら、生きていた甲斐があるというものせつなくほろ苦いものをかみしめていても恋したことに後悔はないはず実っても実らなくても恋することはすばらしい
古書店でふと手に取った一冊の本。その本はさまざまな人生を紡いでいます。短いですが、いろいろな人生や思いがぎゅっと詰まったお話です。あなたを至福の時間に誘いますよ。
人が心に抱く「物語」は決して「偶然」の所産ではない。出逢いも別れも偶然がつくりだすものではない。人の想いはすべて「必然」が紡ぎだす。ヒロインが古書店で手にする本が、それを教えてくれる。僕は自分の(不器用な)恋物語を思い出した。
仕事も生活環境も変わり、書店から古書店へと訪れる場所も変わっていく。その中である時主人公が出会ったのは、一冊の書籍。青い鳥を手に取るように持ち帰ったその本には、彼女を驚かせる出会いを包容していた。思わぬ場所での思わぬ出会い。あなたも、何処かで出会うかもしれませんね。
この短編を読めば、読者それぞれに、自分の経験と何かを照らし合わせつつ、忘れ去っていたはずの、いや、忘れられないものさえ、鮮明に思い出させられていく。主人公の境遇、そして、かつてあった会社とその同僚たち。そういった人々の姿から、無常な世の中に振り回されながらも生きている人たちの姿が垣間見えてきます。何かを感じずにはいられない、そんな作品。
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