空は独りで飛べるものではありません

 こちらは無邪気な新米パイロットが周囲の人々との関わりの中で一人の爆撃機乗りとして成長していく物語です。平時の魅力あふれるキャラクターたちの和気あいあいとした心温まる交流と、戦場での陰惨な現実の対比が実に鮮やかで、戦うことの意味を深く考えさせられます。
 スピーディーで臨場感あふれる戦闘描写は映画のよう。五感に訴える丁寧な情景描写がキャラクターたちの心情をもリアルに感じさせます。
 こういった空軍ものではきちんと描かれることの少ない地上部隊との連携や彼らの活躍が丁寧に描かれているところも本当に素晴らしい。空を飛ぶのはパイロット一人ではとうてい不可能だと痛感しますね。
 ミリタリー好きな方もそうでない方も、ぜひ一度は読んでみていただきたい作品です。

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