そうだ、社会はこんなにも絶望に満ちていた。

 著者ゆきこさんが就職活動に対する恨み言を書く本作。
 僕自身が就職活動をまともにやらず、できることをして今生きているので、ここ、わかるなあ……と思う箇所が多かった。
 そして、実際働いてみた上で思うのだけど、大学のキャリアセンターや就職エージェントの言うことなんて、本当にあてにならない。あの人達だって、世界の一部しか見ていない。

 就活のためにバイトをやめられる人と、そうでない人には大きな差がつくことも、社会というか会社の求める人間になれないことも、全部ゆきこさんを追い詰めていた。
 ああ、そうだった。社会って、こういう場所だった。
 こんなにも絶望に満ち溢れていた。

 就活で病んだ人にも、どこかにその人に合った場所があるといい。そういう社会であってくれ。頼むから。