就活クソッタレ備忘録(22卒)
澄田ゆきこ
1、就活との出会い~「何者」~
就活を始める前から、就活が苦手なことはわかりきっていた。
はっきりと言えば、忌避感があった。とにかく辛そうでキツそうでしんどそうで、蹴落とし合ったりマウントとり合ったり友情崩壊したり、とにかくマイナスなイメージしかなかった。
とにもかくにも、これは朝井リョウ氏の「何者」のせいである。
あらすじを述べると、就活生五人が協力して就活を進めようとするも、次第に進捗の差から軋轢が生まれはじめて、朝井リョウ氏特有の、人間が嫌いになりそうなドラマが繰り広げられるお話。
この小説に出会ったのは高校生の頃。朝井リョウ氏のファンだった私は、その後映画化されたものも見た。
そこでさんざん植え付けられたのが、「就活とはなんて怖いのだ」という感覚である。和やかに見えた人間関係が就活によってどんどん崩壊していく。人間の嫌な部分をどんどん露呈させていく。
就活などしたこともないくせに、私は半ばトラウマに近い感覚を抱くことになる。
大学生になって教職課程を受講しようと考えたのも、ひとえに就活が嫌だったからである。私は就活に合わないんだろうなあ、ということは当時から自覚していた。そのため就活をしなくていい道を選ぼうとした。
しかし、教職課程は取る授業数が桁違いに多い。私の専攻(哲学)はとくに、社会科の必修科目と専門の必修科目のダブりがほとんどなく、卒業のために必要な単位とは別にたくさんの授業を取らなければならない。
もちろん卒業を蔑ろにもできない。
そして大学一年生の秋に家出。自分でしなければならないことが山のようにできる。このままでは身体か精神のどちらかを壊すと思った私は、後ろ髪をひかれつつも、卒業を優先させ教職課程を諦めることにした。
それが地獄の始まりとも知らずに……。
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