概要
勇者、やめます。
『なあ、お前もそう思うだろ?』
俺は目の前の魔王に話しかけた。
すると、魔王は何やらブツブツとつぶやくのを止め、こちらに顔を向けてきた。その表情は笑っているのか悲しんでいるのか分からないものだった。しかし、それは一瞬のことで次の瞬間には口を大きく開け笑い出した。
「ああ!そうだな!勇者の俺様がそんな情けないことを言うわけねーよな!お前はどうなんだ?」
俺は仲間に問いかける。この女騎士の格好をしている勇者のサーシャも、聖女のカレンも笑顔だった。ただ、目が一切笑ってはいなかった。きっとこいつらは内心では呆れているのだろうと思う。
だって俺達が魔王城に乗り込んだ理由はこいつの命を奪うためではなく、降伏させるためにやってきたんだからな。
それなのに、こんなことを言われたんだぜ?そりゃ笑うわ。だが、
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