余命一億の宣告

　その日を生きることで精一杯、そんな自分に嫌気がさしながら、死んだような毎日を繰り返すアレックスの前に現れた、一人の美しい少女。彼女はアレックスを買いたいと言い、アレックスは軽くあしらうつもりで、「一生遊べる金が用意できるなら買われてやる」と言ってしまう。
　その額は一億。用意できないとたかを括っていたのだが、彼女はケイト・デル・スワロイヤと名乗り、隣国で未成年のまま臣籍降下した、元王族の女侯爵だった。
　ケイトは用意していた一億でアレックスを買い、自らの領地に連れていくという。しかし話を聞けば彼女は、手にした一億を使い切ったらアレックスを殺すと宣言し──。


　訳あり浮浪者と女侯爵が織りなす、残酷で愛おしい、家族と愛情の物語。


※昔に書いた設定を手直しして書いております。