隙のない不穏なファンタジー。傑作!

物語を読む醍醐味は?
一つに、日常から離れて、ふっと非日常に連れてってくれる感覚を味わうこと、です。

その非日常に連れてってくれる手腕が半端のない作者様です。
主人公が訳の分からないまま、朝起きたらいた世界。───そこは、知らない部屋。
ここはどこなの?
日本語は通じるのに、日本じゃないようです。
「ソト」の話はするな。危ないから。
───何が危ないの?

自分が当たり前だと思う日常が、ずれる。そのずらし方が絶妙に上手い。
そこかしこに不穏さが漂います。
───ここはどこなの?!
何回も読者は叫びたくなるでしょう。

時々差し込まれるファンタジーな風景がカラフルで楽しいイメージです。
これは現代ファンタジーで、本格SFで、哲学で、エッセイで、………ホラーです。

非日常に、連れて行ってくれますよ。
ずっと先まで読み進めることをオススメします。
山羊とねえ、冷蔵庫が、抜群に面白いんですよ……。ふふふ……。もうね、読んだら、頭から離れなくなりますよ。

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