「田中は虫なのだ」この一文の重力こそ文学的精神の深さではないだろうか?

ーー『虫』

それは人によっては唾棄され、
捨てられる存在ではないでしょうか?

しかしながら
それが人生に影響を及ぼすことなんぞ露知れず
人は生きている。

――田中は虫なのだ。

この一文の重さとは
人生の重さであるとあると同時に
また小説自体の持つ、重力の重さであると
僕は思ってしまう。

そしてそれこそが作家が仕掛けた者なのかもしれないと
読了後、思ってしまう僕は、
既に虫なのかもしれない。

カフカ的文学エッセンスのある珠玉の短編です。
是非、
この文学的作品をあなたに届けたい。

#日南田ウヲ