黄昏れた感情にミドルキックを

青春って時間は、キラキラしているとは限らない。
でも、この瞬間を全力で駆け上がる。そういう子達って本当に尊い、って思います。

7回も嘘告白(通称ウソ告)のターゲットとされてしまった主人公と。意を決して告白したのに、8回目のウソ告と思われてしまった彼女との物語。

いやぁ、ラブコメとして本当に秀逸な設定です。
嘘告は近年、ラブコメでよく見るエッセンス。それが7回ですよ。彼は8回目と思っているこの設定。その7回それぞれに、いろんな感情が混じっていて。現在、最新話では5番目のウソと、絶賛向き合っているところなのですが。

本音で向き合えなかったり。相手にマウントを取りたかったり。恋に恋している恋だったり、異性とのギャップに悩んだり。ラノベ系ラブコメでは見ない、でも普遍の思春期のテーマがこれでもかっていうくらい詰め込まれています。

一言でいえば、青春の光と影。
影はもちろん、嘘告ヒロインたち。
光は、メインヒロインたる、我らが氷川芽衣子嬢。
この子が本当に可愛いんです。

一見、重くなるテーマを、ひたむき恋心で、覆していくのが本当に爽快で。

恋愛のアイコンとしてのヒロインではなくて。
息づいて。
庇護されることを良しとしなくて。
強いけど、優しい。優しいけど、甘えっ子。そして、ちょっとポンコツな。本当に魅力あるヒロインを作者様はクリエイトされました。

どう強いかは本編を読んでいただくとして。
ただ、一つだけ。
すぐに届くローキックじゃなくて。
届きそうにない、ハイキックでもなくて。

妥協もない。諦めもない。
ひたむきで、一途なミドルキックで黄昏れた感情を蹴り上げてくれる。

光を描くには影が必要で。
「ウソ」は誰しも抱えていて。
それは、ヒロイン・氷川芽衣子嬢も一緒だって思うんです。

でも、読書途中の今でも感じるのは。
きっと彼女は「ウソ」のまま誤魔化さない。



黄昏れた感情にミドルキックを
そんな勇気をあなたにくれるはずです。

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