読者ひとりひとりに問いかける、気骨のある作品

日本国憲法第九条。いわゆる平和憲法。
この存在に関してはの是非は、なにが正しいと一概に決められない、複雑で繊細なものを含んでいます。
作中の田原総一朗氏が討論番組で取り上げたこのテーマに対し、あるノンフィクション作家が自身の子ども時代の回想で答えます。
その内容とは? そして、番組のMCである田原氏はそこから何を思うのでしょう?
戦争経験者であること、そしてジャーナリストであることの意義。
様変わりする時代を見続けてきた老兵は、果たして老害なのか。
読者ひとりひとりに問いかけるような内容。そして、ほかの国や他人に流されるのではなく、自分のポリシーを持つことについても考えさせます。
読み手を惹きこむ気骨のある作品です。ともかくご一読を。

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