食べているだけで伝わる「愛」

カニバリズムは究極の愛だな、と思います。

女性が女性に執着している、それもアイドルとファン。
そういう関係性が好きですし、ひとの培養肉というSF的な要素、人肉をごく普通の食事のように食べる世界観…。
どれも好みでした。

3000字以下という短い文字数なのに登場人物のキャラクターや関係がしっかり伝わって来たのが凄いです。
余計な部分が削ぎ落され、細部の描写が光っていました。

救い出した肉をどこの部位かと考えたり、肉をつまんで汗を思い出したり。
さらりと書いているからこそ薄ら寒さを感じました。

しつこく書いていないからこそ伝わって来る「執着心」は作品全体から感じました。
それがとてもよかったです。