第3話

 次の日に、ジャンボは早起きをして部屋を片付けていた。

その気配でバニラが起きると、ジャンボは少し申し訳なさそうに、綺麗に包まれた箱を彼に差し出す。



「昨日のうちに渡せなくてごめんな」



 箱を開けると、想像した通りの立派な釣竿が出てきた。

本当に叶えられてしまった。

誕生日のお祝いが手の中にある。


 バニラは声もなく泣いた。寝ているチョコを起こしたくなくて。

ジャンボもその意を汲んで、声はかけなかったが隣に座った。

プレゼントを握りしめて泣くバニラを、抱きしめた。


 いつか全て伝えられるだろうか。

本当にお前たちがいてくれたから、俺は生きているのだと。

ジャンボもバニラも目を閉じる。

静かな朝の事だった。



おわり

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バニラの誕生日(夜光虫シリーズ) レント @rentoon

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