あとがき
こんばんは。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
リレー・パートナーの羽間さんがお書きになっている通り、このピンポンリレーは羽間さんと薮坂さんの甘酸っぱい恋物語リレーの最後に私が書いたコメントから、羽間さんがすぐに提案してくださったことから始まりました。リレー開始の経緯については羽間さんが後書きで書いてくださっています。
羽間さんと薮坂さんのリレー、「love letters」
素敵なお話ですので、夏を振り返ってぜひ。
https://kakuyomu.jp/works/16816700426686529380
羽間さんの「魔女の落とし物」
https://kakuyomu.jp/works/16816700429598600377
経緯はそちらをご覧いただくとして、私の方では思いの丈を。
ごめんなさいっ!!!
リレー小説が始まったのは二月。蜜柑桜、期限を遅れてカクヨムコン長編終了。そのあとだったのですが、こともあろうかKACの最初を書いてしまったらKAC皆勤まで走ってしまったという。そしてその後、今年度から仕事の部署リーダーみたいなの+その他の仕事追加、だけならまだしも、公募にチャレンジのため改稿作業を始めるという、お前何考えてんだの連続で
思いっきり完結を遅らせた不届き者がここに!!
読者の皆様、そして何より羽間慧様、こんなにも遅れ遅れにも関わらず、ご寛容にもお読みいただき平伏して感謝申し上げます……。
辛抱強く待っていただいたおかげで、完結に至ることができました。
さて、このリレーで何がすごいって、羽間さんの作り出す登場人物です。なんと登場人物のうち蜜柑桜が作り出したのは姉のユーフェミアとシュクレのみ。他は全て慧ちゃんが作り出してくださったのですよ!
冒頭から現れるまだ未熟な少女らしいエピィ。実に愛くるしい主人公です。そして第一話から張られる伏線の数々。素晴らしいですね。どう料理しようか、楽しみになる始まりです。相棒のシュガーはもう、第一話で動く運命にあったと感じました。
さらにカリンの場面でのサプライズにはどんなに感動したことか。シレア国が他のお話でこんな形で出てくるなんて、思ってもみませんでした。それに対する読者のみなさまの反応も温かく、リレーに関わって一番の果報者が作者の一人とは。感謝に絶えません。ありがとうございます。
このお話のおかげで、前シレア国王、王妃のお話も書いてみたくなってしまいました。
羽間さんが絶えず話の導線を引いてくれ、登場人物や小道具をセットしてくださったので、私の方では、それにどうやって味付けをして調理して、次の場面へ持っていくか、というところでした。何しろいい材料が揃っているのです。途中、とんでもないポカもやらかしたのは面目なさすぎなのですが、用意された良質な材料を殺さないように、羽間さんの作る優しい世界を崩さないように、児童文学ベースに努めました。
その一方で、今まで読んだ面白い児童文学で守られる論理性や整合性はできる限り保ちたい、という思いはありました。ここでネックになるのが「魔法」でした。
「魔法」は便利なようで、ファンタジーにおいて扱いが最も難しいものの一つだと思っています。下手に使えない、これが魔法の正体だと。魔法は物語の中で功罪両方に働く代物ですが、書いている方にとってもそうだなぁと。
その最たる理由が、「魔法は万能」であること。
物語の進行に「事件」と「解決」は重要な要素です。しかし魔法があるとこれが簡単に済んじゃうんですよね。ですから、魔法が使えて問題が簡単に解決できるはずなのに、魔法が可能な人間がその解決に手をつけずに問題が悪化しているファンタジーを見ると、少なくとも私は一気にしらけます(某有名ファンタジーがそうで、読むのをやめました)。
魔法を使うとなればルールが必要。この話では、「なぜ魔法道具が散らばったままではいけないのか」「魔法を使う最中と直後に人間に及ぶ影響」ここが課題。前者は作中でお読みの通り。後者も、魔法を使われた人間が「あれは一体なんだったんだ……」と追求する場面を生むと話が進まない。
それから、先に書いた「解決できる人がなんでやらないの」矛盾の回避が必要。このお話では「お母さん」と「ユーフェミア」がそれに当たります。放っておいて困るならさっさと親が行けばいいんですよ。でもどうしてやらないか、という設定を作りました。
羽間さんがエピィの成長物語としてお話を設定してくださったおかげで、ストンと落ち着いた(というようになっているといいな)と思います。
登場人物で言いますと、たくさん作ってくださったキャラクター+一人と一匹のうち、苦労したのが、実はカリン。迷ったのがリュー。楽に動いたのがシュガーとユーフェミアでした。
リューが出てきた時、「えぇ!? これはロリコン? (慧ちゃんがその出場について述べていたのはYさんに違いない)そしてオネエ? オネエなの!?」と、自分が書かないタイプなので驚き戸惑ったのは本当です。しかしリレーでは「これオネエですか?」と聞くのはタブーかな、と。聞かないからこそのリレーなので。
そして実際に書き出してみたらなかなかスムーズに動いてくれたのがリューです。これもひとえにシュガーの性格をソルトにしてくださったおかげ。「球根じゃなくてロリコン」の台詞がツボにハマり、そこから「ソルト」がツボにハマり、最終話は一体と一匹のおかげであのように進みました。書いていて大変楽しかったです。
第十話の落としどころポイントが複数あったため、あんなにも長くなってしまいました。冗長になっていないといいのだけれど。
ご期待に添えるように書けたかな、という不安が常に付きまといましたが、その度にお優しいお言葉を、読者様からも、何より羽間さんご本人からいただき救われながら書きました。
実は、最終話で当初考えていた帰着点、ボツにしたんですよ。書かずに終えました。
それは箒の……。
ここから先は皆様に想像(創造)していただけたらなぁと思います。
推敲もほぼなしの一気書きで、各回を勢いで書いていきましたが、リレー小説はそこもまた醍醐味だなぁと思います。
完結できてよかったです。児童文学というコメントを多数いただき、それもまた嬉しかったです。
最後になりましたが、重ね重ねありがとうございました!!
中秋の名月を一日過ぎて。 蜜柑桜 拝
魔女の落とし物 蜜柑桜 @Mican-Sakura
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