LでもGでもBでもTでもない、だけどヘテロでもない人達の物語

クィア小説あるいはLGBT小説というと、同性愛の物語や、トランスジェンダーが主人公の物語を思い浮かべる人が多いでしょうが、同性愛者やトランスジェンダーだけがクィアの全てではないのです。
この作品はLでもGでもBでもTでもない、だけどヘテロでもない、マイノリティなセクシャリティをもつ高校生の男女が主人公となります。主人公の一人であるの華恋は、他者に対して恋愛感情を抱かないアロマンティック。もう一人の主人公の愛生は、他者に対して恋愛感情を抱くけれど両想いになることを望まないリスロマンティック。
人は恋は必ずいつか恋をするもの。恋をした人間はその相手と両想いになりたいと望むもの。そんな常識に当てはまらない人間も、世の中には案外居るんだよということを、この作品を通して多くの人に知ってもらいたいです。
ちなみにこの作品は神原さんの前作「薄氷の上で愛を奏でる」と繋がりがありますので、そちらも併せて読むことをおすすめします。

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