恍惚と愛情の溢れる女性崇拝

呪文堂氏のエロスの世界に共通するのは女性に対する賛美と崇拝であると思いますが、こちらの作品は「縛る」という行為にそれが凝縮されています。その官能的な描写に読者はきっと圧倒され魅了されるでしょう。
このお話の鍵である縒られた縄と、睦みあう男女の比喩が秀悦です。そして恥じらいと迷いと、そこからもっと深いところで繋がる若いふたりの美しさがとても印象的です。エロスの中に「女神」への崇拝が溢れていて、恍惚のなかに深い愛情を感じます。
エロス×文學を追求する筆者の、熱量がほとばしるような筆致に魅せられてください。

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