水を巡るオリエンタルファンタジー

舞台は砂漠のとある町。
そこに住む少女ティナは、ある日三人の旅人と出会う。
美貌の青年チャッタ、口は悪いがしっかり者のアルガン、触感至上主義の不思議な青年ムル。
彼らの目的は、かつてこの乾いた大地で水を生み出したという種族――水の蜂、だった。

異国情緒溢れる風景描写は丁寧で、読んでいる間に乾燥した砂漠の空気が感じられるような気さえする。
また、ティナだけでなく旅人三人にもそれぞれ複雑な事情と秘密があり、それらが明らかになるシーンは読みながら切ない気持ちになってしまった。
だが、彼らの魅力を語る上で外せないのは何といっても戦闘シーンである。
こちらは町の情景とは一転して息を呑むような迫力があり、カッコよく戦う彼らにはきっと胸が踊ることだろう。

三者三様のイケメン達と一緒に、滅びた種族の伝承を巡る本作、是非とも読んでみてほしい。

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