青春の空虚感と再生を、心霊スポットという非日常を通して描いた爽やかで切ない短編。自虐的で生々しい主人公の内面描写と、「怖がらせる側」の幽霊バイトという発想が新鮮で引き込まれる。正体の曖昧な青年との出会いは不思議な余韻を残しつつ、主人公が少し前に踏み出すラストが心地よい。ホラー要素を借りながらも、本質は“自分を変えたい”と願う心の物語。
主人公は高校2年生の女子。いわゆる、JKだ。貴重なセブンティーンの夏を、彼女は一人部屋の中で過ごしてしまった。そんな彼女は、自分の青春を取り戻すべく(?)心霊スポットに一人赴く。怖がるためじゃない。 安易に心霊スポットに近づく若者どもを「怖がらせに」行くのだ。そして心霊スポットにて、志を共にする旨のバイト(!?)を名乗る青年と出会うが……?怖さでいくと甘口な感じですが、ワードセンスも面白いし、それこそ新作落語の怪談を聞いているような感覚で楽しめます。ご一読を!!
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