溶け合う機械と人の未来

  • ★★★ Excellent!!!

この話を読んで、思い出されたのはアレだ、臓器移植を受けた人がドナーの影響を受けて味の嗜好や趣味を変わったという話……つまりIT機器は我々の臓器の一部といっていいほどに生活に溶け込んでいるということだろう。

もちろん、これは近未来を舞台にしたフィクションではあるが、主人公に漂う生活感や、業者のデータ削除ミスとか細かいところの杜撰さを含め本当に「ありそう」と思わせる描写もなされている。

そして物語の結末に現れるのは、人と人との間の繋がりだ。
機械は人間の身体の一部にはなれても、他人の代わりにはなれない。人は他人との関わり合いの中で生きて、決して一人では生きられないということは、いつの時代も変わらないのだ。

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