偶然異界に迷い込んでしまったしがない福祉職員、遠野。
彼はそこで一人の女子高生、千春と出会う。彼女は一攫千金のため、祖母から聞いた「マヨイガ」の伝説を追っているという。
千春と共に、遠野は今日食べる飯を現地調達しながら帰り道を探す生活を始めるのだった。
JKちょうたくましいな……というのが率直な感想である。
そう思うと同時にとてもマネできないと思う。若さゆえの勢いだろうか。
まず、前提として異界の食物そのものは食べてはいけない。ヨモツヘグイとか伝承にあるように、食べれば向こうに属する者となってしまい帰れなくなるからだ。
そこで、千春はこちらの世界から異界に流れ着いた食料品を拾って食べている。賞味期限には気を使いながら。
たしかに異界で見つけた賞味期限の切れたプリンとか絶対に食べたくないが、だからといって賞味期限内だったらいいよね? と言われたら返答に窮する。
その数字自体、何かによって偽造されたものかもしれないし、他の物をそう見えるように幻覚とか見せられてるかも知れないし……。
個人的には、グルメというよりサバイバルもの寄りな印象だ。食材自体はこっちの物だし、妖神グルメみたいにバケモノのために料理するわけでもないし。
おじさんと女子高生のバディものが好きな方、クリーチャーと食事が結びつくのは平気な方にはおすすめの一作。