迷信物語にあらず、 時代を超えた警鐘!

犬神憑きに狐憑き、憑き物信仰 というものはなかなかなくならないものです。 未だに憑き物があるという占いが跋扈しています。

その根っこには人間の弱さがあることは明白です。 人間の弱い心につけ込み、 そこで 不当な利益を得ようとする人たちが 必ず存在します。 それは形を変えて 現在も大手を振ってたくさんまかり通っています。

目に見えない 憑き物ではなく、 やはり目に見えない信用というものを武器にして、言葉巧みに 人の弱さや人間の欲を煽るだけ煽って、その末に全ての財産を巻き上げる。人間はどれだけ愚かな行為を繰り返せば気づくのでしょう。

この物語は迷信を題材にしてはいますが、決してこれは 未開の無学文盲の社会のお話ではありません。人間の弱い心をついて、あるいは老人や女性・若者などの弱い人間をついて、 たびたび時代を変えて、形を変えて、同じようなことが何度も何度も繰り返されるのです。この短編は、 その警鐘でもあります。

この物語のテーマにもあるように因果応報・善因善果・悪因悪果、神仏の見えざる手による自然調節制御作用があることを心から信じ願いたいものです。