その手で掴む未来は、果たして。

登場人物たちの掛け合いなど明るく楽しいシーンもあるものの、全体的にはダークな雰囲気が立ち込めているお話です。
主人公は平和な国、平等な社会を夢みる青年騎士、アルノ―。彼はその夢を実現すべく、手段を選ばず邁進していきます。その姿は泥臭くも、揺るぎない決意を胸に突き進んでいくのです。

彼と共に行動する幼馴染アーネ、アルノ―の道場の弟子たちも、頼もしい活躍を見せてくれます。敵対する人物も魅力的に描かれており、退場するのが勿体なく感じることも!

このお話における魔法が触媒を必要としている点も、個人的に好きな部分です。水術を使うために水を皮袋で携帯しているところとか。そういう、万能でない設定が、お話に絡んでくるのが楽しいです。街中の描写も丁寧で、一緒に歩いている気分になれますよ!

5話、6話くらいから、お話の雰囲気が変わります。そこでアルノ―を支持、もしくは見守ることができるか否かで、お話から受ける印象が少し変わるかもしれません。私はこの先、彼がどのような道を歩み、その手で何を掴むのか。それを見届けてみたい、という気持ちでいます。

丁寧に描かれたダークファンタジーです。
お薦めします(^^)!

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