第2話 深夜の寝室で〇✖を受け止める

(注)この話は、想像しながらお読みください。少し、方言が入ってます。



 前回の、「団地の四階で叫ぶー」の話が一週間もすれば収まろうとしていた。人の失敗というか寝ぼけ話は、余り引っ張っても駄目だ。本人が傷つく場合もある。このM氏にはそんな気遣いは無用なのだが……


 又、いつもの仲間で食事後、喫煙席で何気ない日常の話しをしていた。


 そんな時に、再びM氏がやってきた。


「おい、聞いてくれよ~俺、又やっちまったんじゃけど~……」


 少し恥ずかしそうに、M氏がやってきた。


 キター……\(゜ロ\)(/ロ゜)/ オモローな話だ。今度はどんな内容だ?前回が「船が出るぞ~」ってな話だったんで、今回は何だ?何が出るんだ?オナラなら普通に出てるぞ?もしかして、ウンコか?ウンコはアカンでしょ?いや~そりゃないわ?俺達の周りの期待感が半端なく上がる。周りの奴らは目がキラキラしている。少し離れた奴らも此方の話に耳を立てている。おい、ウサギじゃないんだから、オイ・耳を立てるな。 Σ(;゚Д゚)


「ウンコじゃね~よ……」

「で、何ヨ?何が、あったんじゃ?プププッ……」

「おい、話す前から、笑ってんじゃねぇよ。話にくいがな」

「ああ、ごめん・ごめん……で、何?」

「実はな、……」


  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  


 ここから先は奥さん視点。


 いつもの様に、何も変わらず繰り返される毎日。その日の夜はまたしても熱帯夜だった。

 当時、市営の団地の四階に住んでいた。四階はこの団地では最上階。夏場は結構暑い。


 いつもの様にエアコンを、お休みタイマーで寝ていたら、今回も深夜にタイマー切れで目が覚めた。扇風機は随時回っている。エアコンは電気代が高くつくのでタイマーにて使用している。枕元に置いてあるリモコンを探すが、暗いため分からない。


 天井の照明からぶら下がっている紐を手探りで、素早く三回引っ張った。天井に薄ぼんやりと豆球が浮かぶ。


 薄明かりでリモコンを探していると、隣で寝ている旦那がモゾモゾと起き上がった。 と、ここまでは前回と同じ。



 なんだ、又トイレでも行くのか?それとも又、叫ぶのか?それとも違う何かを、やらかしてくれるのか?と、期待して旦那を見た。

(´艸`*) ニヤニャガトマラナイ


 するとどうしたことだろう?旦那は布団から起き上がると、天井の照明からぶら下がっている紐の端の下で正座した。正座だよ、正座。ただ座るんじゃなくて正座。英語で言えばSEIZA だよ。夜空に輝く星座じゃなくて、正座。もうエエか。マジで?ホンマか?何で夜中に正座?霊か妖怪あやかしに取り憑かれてんの?やばいよ……


 そして旦那は、天井からぶら下がっている紐を両手で、すくう様にして、こう叫んだ。


「落ちる~……」

「はぁ?……何が落ちるの?」

「……」

「えっ……何が?……」

「落ちる~……」

「って、何が?……何が、落ちるのよ?……ってか、アンタが受け止めようとしてんの、紐だよ。ひも。しかも、ただのヒモですから……そんなヒモが落ちても、痛くも・かゆくも・なんともありませんから~……って、ねぇ~何・寝ぼけってんのよ……フフッフ、ちょっと笑いが止まらないんですけど……プププッ……アハハハハ……もう、カンベンしてよ~……」


 話し掛けても目が半開きだ。意識が無いので反応が無い。両肩をゆすってみた。

 すると、呪いねぼけが解けたのか、布団に自ら横たわった。横になるとイビキをかき出した。


「何なんだ、こいつは?……又か、また・寝ぼけたのか……プププッ…ハハハッ、もう、やめて~笑いすぎてお腹が痛くなっちゃった……ああぁ~可笑しい……もう~これで、又 朝まで寝れなくなっちゃったじゃない……プププッ……ハハハッ……」





「って、今朝起きたら、俺の顔を見て大笑いされて、こんな事言うんだぜ。どう思う?」


「「「ドヒャヒャヒャヒャ…… 」」」


 その喫煙所にいた人々は、またもや笑い転げた。笑いの壺にはまり、笑いながら泣いている人もチラホラ居た。


 深夜の寝室で、照明の引っ張りヒモを手で受け止めて「落ちる~」ってねぇ、普通言わんでしょ。落ちてもほっとけばエエのに。寝ぼけたら言うのか?  


   余程、ストレスが溜まっていたんでしょうかねぇ?



 



          知らんけど

             (^^;)





               了

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本当にあった〇✖の話(おバカ編) 甲斐央一 @kaiami358

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