こちらは「第9回キャラクター文芸」の最終選考に残るほどの優秀作品です。
食べることが好きな主人公のきぬさんと、口下手な天狗の義真さまのほんわか夫婦のやりとりが癒されます。
人と天狗のいる共存世界で、大正時代を思わせるどこか懐かしい日本のような島国。妖と戦うバトル系の話ではなく、しっとり大人のファンタジーです。個性的で魅力的な脇役たちも交えて悲喜こもごも、小さな騒動があります。
記憶を失ったきぬを助けて暮らすうちに、お互い惹かれあって結婚するのですが……。
天狗の義真さま、最初はきぬとの結婚をためらっていたのです。なぜなら一度、人と結婚したことがあるから。義真の暗い過去が徐々に紐解かれてゆきます。
あと、謎すぎる「のぞき太郎」がツボでした(*''▽'')b
わたしはりこさまの世界観、優しくて丁寧な文章がとても好きなんです♡この世界にいつまでも浸っていられそう(n*´ω`*n)Love♡
今回は、あんみつやミルクコーヒーで甘味処に行きたくなるし
天狗のモフモフを触ってみたくなりますよ!
オススメします(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾📚
あんみつと緑茶を用意して読みたくなる、とても素敵な物語です!
少し前の日本に似た世界。そこで繰り広げられる日常の風景。
ひとつ違うのは、この世界には天狗さんが一緒に暮らしているのです。
この世界にも人種(?)差別はあるし、男尊女卑もあるけれど、それに負けない人たちがいる。
一番素敵なのは、この物語の空気感でしょうか?
ほのぼのしていて、クスッと笑えるのに、時に悲しく、とても優しいのです。
目に浮かぶような情景描写。個性的な登場人物たちが織り成す物語の見事さと言ったら、もう脱帽してぺこりと頭を下げたくなります。
無表情で不器用な天狗先生と、ほのぼの妻きぬさん。
お二人の物語で、ぜひ癒されて下さい!
文明開化の少し後、人間と天狗の共存は進んでいるようでそうでもない頃、
街に下りて暮らし始めた天狗と人間の夫婦。
明治大正の時代感は、天狗という存在と合って雰囲気があり、周りにも賑やかな人物が登場して楽しさをすぐに感じます。何も考えずに読んでも楽しい。
楽しい楽しいと読み進めていると、
天狗先生、結婚は二度目なんだった、きぬは記憶を失くしているんだったことがいつの間にか深く刺さってきます。
でも楽しい楽しいと読み進める、さらにどーんと深く刺さっている。
そんな物語だと感じました。
素晴らしいエンディングです。
幾つかのエピソードがまとまった1話毎に完結してゆき読みやすいので、未読の方がいらっしゃったらぜひ読んで欲しいです。
心からおすすめします。
真っ赤な顔に高い鼻、黒い翼。誰もが知っている天狗のイメージをひっくり返す作品がここにあります。
本作には怖い天狗は登場しません。むしろそのイメージをいい意味で裏切る天狗ばかりです。無口で不器用だけど優しかったり、あんみつやミルクコーヒーが大好きな甘党だったり、そんな愛らしく茶目っ気のある天狗が多数登場します。彼らが織り成す日常風景はコミカルかつほのぼの。人間と天狗という種族の違いを感じさせない暖かな物語を展開してくれます。
舞台は明治から大正ですが、時代を感じさせる風情ある描写が満載で、古き時代にタイムスリップしたような気分にさせてくれます。シリアスな場面で描かれるしっとりとした情景描写は心に深く染み入るよう。
もう1つインパクトがあるのは中盤で登場する謎の怪人、のぞき太郎。名前を聞いただけで抱腹絶倒できるこの怪人、実は本作のキーパーソンです。このシリアスとコミカルの同居加減も本作ならではの魅力だと思います。
天狗、人、そして謎の怪人が織り成すユーモラスで暖かな物語を、ぜひ堪能してみてください
寡黙(ホントになーんにもしゃべらない)で不器用な天狗紳士と、ぼんやり気味(天然?)だが気立ての良い人間乙女の夫婦物語。ほのぼの日常生活と思いきや、ご近所・実家トラブルで波瀾万丈……!?
美しく丁寧な文章で綴られる情景描写は、まるで噛めば噛むほど味の出る絶品料理、まさに芸術といえるでしょう。ほっこり甘々ではありますが、キュッと心臓の引き締まるような上品な胸キュンが味わえます!
翼は口ほどにモノを言う——。
日頃寡黙な天狗さんが見せる微々ながらかわいらしい仕草も必見!そっけないように見えて、実はあっつーーい想いを秘めていたり……?♡
甘々すぎない人外恋愛、オススメの傑作です!
舞台は人と天狗が共に暮らす世界。人付き合いが苦手な天狗義真は山道で記憶喪失の女性きぬを見付け、夫婦になったというところから物語が始まります。二人がであった経緯や、里で出会う人々とそこで起こる(珍)事件が美しい言葉で語られていきます。
大正ロマンを感じる時代背景と、個性的で愛さずにいられない登場人物、朝ドラを彷彿とさせるほんわかとした世界と美味しそうな甘味達。読んでいると、ふるさとに帰って懐かしい人々と会話しているような温かな気持ちになりました。
ずっと記憶に残り続けるだろう、素敵な物語。読まないのは勿体ないですよ!
この物語は天狗の妻である、人間の”きぬ”との関係を描いた作品です。
ハッキリ言います。とてつもないです。
綴られる文章はまさに「文学」と形容するに相応しい。決して平易な言葉だけで収まらないが、初めて目にする単語や漢字でも前後の文脈から何故か理解できるし、情景もあかあかと浮かびあがる。
不思議で仕方なかった。
それば時代設定(背景の設定)などが作りこまれているためか。
それとも心理描写が秀逸で胸をざわつかせる「何か」があるためか。
きっと答えは「全部」。
でも私はその「全部」をまだ知らない。
ミロのヴィーナスが永遠の美であるように。
この「文学」は、まさに「芸術」である。