用語解説

 lorem ipsum(名)

(1)出版、ウェブデザイン、グラフィックデザインなどにおいてしばしば使用されるダミーテキストの典型的な様態。グリーキングの一種。

(2)キケロ著『善と悪の究極について』の一節。当該箇所は『苦痛そのものを、それが苦痛であるという理由で愛したり、探したり、手に入れることを望んだりする者もいない』という和訳になる。

(3)本作に登場する異能力者たちの総称。

(4)あらゆる関係を持たない人間の総称。例):本作の主人公。


《主な登場人物》

 有動航……主人公。大学二年生。出版社『凪浜グラフ』にインターン中。好物はプリン。お人好し。

 夜嘴環……『凪浜グラフ』の社長。ヘビースモーカー。性格に非常に難がある。航のことを気に入っており、解りにくい世話を焼く。

 海嶋円果……航の先輩。生活能力が壊滅しており、航に世話を焼かれていた。水泳サークルに所属している。失踪中。

 尾武嵐……航の友人。ホスト。単位が本当にギリギリ。有動航の親友を自称するが、真偽は不明。


 公安無記課こうあんむきか

 正式名称は警視庁警備局公安無記四課。ロレム・イプサムに関する犯罪を取り締まる超法規的権限が与えられた警察に属する組織。ロレム・イプサムで構成されており、2021年時点で所属人員は23名+多数のバックアップ要員(非能力者)にのぼる。任務の性質上、人員不足が常態化しており、自警活動ヴィジランテを行うロレム・イプサムを捕獲・勧誘して要員に加えることが多い。


舞踏会ワルツ

 ロレム・イプサムによって構成されるテロ組織。

 ロレム・イプサムが自由に能力を使うことのできる社会を、という題目を掲げ、ロレム・イプサムに対して活発に攻撃を行う。

 近年活動を始めたにも関わらず、公安無記課に強くマークされている。

 

代数能力アルゼブラ

 本作に登場する、ロレム・イプサムと呼ばれる異能力者が用いる超常現象。

 強く深く行き場のない欲望を契機として覚醒し、ロレム・イプサムは何らかの「条件」と引き換えにその能力を行使できる。基本的に、利他的な動機で覚醒した人間ほど「条件」が重く、人体に直接重篤な影響を及ぶ可能性が高くなる。

 

記述迷路コールド

 夜嘴環が開発したロレム・イプサムの収容施設。

 PTSDの発症によって欲望を喪失させ、強制的に〈代数能力〉を抹消する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夜と海辺のロレム・イプサム カムリ @KOUKING

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ